特別養子縁組 一般社団法人アクロスジャパン

赤ちゃんを産んでも育てるのが難しいあなたへ 東京都許可番号:30福保子育 第1976号

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市役所 こそだて支援課

ある障がいのあるお子さんのいるご家族に、色々な事情があり、ご自身での養育が大変困難なため、時間をかけて考えた結果、養子縁組へと委託することになりました。
お子さんが元々お住まいだった場所から育ての親の住所へと転入するため、転居届を持って市役所市民課へ行き、手続きをするため当会も同行しました。

市民課でまず言われた言葉が(ちなみに対応したのは実習生という腕章を付けた、高齢男性)
「今から養子縁組をするのなら、一緒の戸籍にはまだ入れないのでは?」(※誰も戸籍謄本に入れてくれなどと言ってません
「保険はどうするんですか?!」(誰も国民健康保険に加入させてくれと、市民課の職員には言ってません
などというびっくり発言もありましたが、転入、転出する手続きに「個々の理由など全く必要なく」「市民課の職員が、個人的主観で市民を転出、転入させない、など判断する権限も必要も全くない」わけですが、それは一応嫌な思いをしながらも終わりました。

次に、そのお子さんの乳児医療証の作成に、「子育て支援課」という窓口に行きました。
私達がする手続きは「乳児医療証作成」だったはずですが、対応した窓口の女性が、ころころ変わり、最初から決して好意的、とは言えない態度でしたが、以前もこの市役所で委託ケースが有ったのと、以前のここの市役所の対応はとてもよかったのを覚えておりましたので以前の引継ぎも当然されているだろうと思って、手続きを待っていました。

窓口の対応の職員がまた変わり、二番目に対応した女性が「職員が異動で変わり、みんなよくわからない」というので、「引継ぎがちゃんとされてないのですね」と私が返事をすると明らかに嫌な顔をされましたが市民にとって受けるべき対応を市民が窓口で期待するのは当たり前で内部での引継ぎがされてない事を市民がくみ取って配慮したり我慢する必要は全くないわけです。

するとその職員はその赤ちゃんの保険証のコピーを私達の前に差出し、仁王立ちでその紙を指さしながら、明らかに「怒り声」で「なんでこの赤ちゃんは養子縁組するんですか!」と切り出しました。
私は「すみません、あのー、何で養子縁組しちゃいけなんでしょう?」と聞いてみました。

女性の顔はますます怒りで満ちたものになり、窓口で座っている私達(養父さんも隣に座っていました)に向かって仁王立ちのまま、保険証のコピーを指さし、唇も、指先も、怒りでぶるぶる震えながら「この赤ちゃんは”本当のお父さん”がいるんですよね?!」と信じられないほど威圧的な口調でそう言いました。
私は「あたりまえです、どの赤ちゃんもお父さん、お母さんがいないと産まれてこれないですから」と言いました。
すると、その女性は「本当のお父さんがいるのに、何で自分で育てないんですか!!!!」とますます声が威圧的になり、立ったまま私たちをにらみつけそう言いました。

私は数秒間、この女性が何を言いたいのか考えましたが全く理解できませんでした。
そして「世の中には、色々な事情があって、自身のお子さんを養育できない親御さんが沢山います。ご存知かと思いますがそう言った社会的養護児童へ家庭養護を促進することについて厚生労働省の通知にもしっかりと書かれており、その中に養子縁組制度が有るんですが」
そしてもう一度聞きました。
「あの、乳児医療証を作成するのに、なんで個々の理由や事情を”あなたに”説明しないといけないんでしょうか。養子縁組委託だと乳児医療証の作成が出来ないのですか?」

すると、少しその女性も「ヤバい」という表情になり「そしたらこの保険証はいつか変更になるんですよね」と、いきなり話題をすり替えました。
さっきの「なんで養子縁組をするのか」と、「保険証が切り替わる」とは全く無関係です。

私は「保険証の変更などが有れば、それはその時に改めて手続きが必要だと思うのでそれはその時に改めて行うとしても、今は”乳児医療証の作成”に来ているんです」と言いました。

その人は睨みつけ震えながらも「ちょっとお待ちください」と言い、後ろに下がり、そしてまた窓口が別の女性に代わりました。

そして次に現われたその女性との間で乳児医療証の手続きは、1分ほどで終わってしまいました。
「ではこれで今日は終わりです」と、その女性に言われただけでしたので納得のいかない私はその女性に先ほどの女性の態度が「威圧的、差別的」発言であったことを告げ行政の職員としてあるまじき発言であることについて抗議しました。

その女性は「大変申し訳ありませんでした」と一言言っただけで結局終わってしまいました。

当の威圧的だった態度の職員は後ろで聞き耳を立てて座っているだけで私の横で非常にガッカリしている養父に対し謝罪に来ることもありませんでした。

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この窓口では結局他にも大きなミスがあり、その後電話が有ったのですがそれはまた別の機会に書かせて頂くとして、この、窓口での対応こそが、実は「なぜ行政でにんしん相談、養子縁組相談が進まないのか」なのです。
この窓口では、母子手帳発行、保育園入所の手続き、その他の制度についても全て対応しています。
ようするに職員の”個人的主観”でその人の思うままに対応をする窓口が「子育て支援課」と呼ばれているのです。

この窓口に、もし、妊娠中に悩んで「養子縁組」を考えている妊婦さんが相談に行ったら、どんなことが起きたでしょうか。
皆さん、考えてください。
そして行政の窓口は一体だれのためにあるのでしょうか。
市民の為にあるのです。

なぜ、皆さんがニュースで目にする痛ましい出来事、妊婦さんたちが赤ちゃんを自宅出産したり公衆トイレで産んだ後に殺さねばならなかったのか。
なぜ、子育てに悩む人が、行政ではなく、民間団体に助けを要請するのか。

それが、この窓口で対応した女性職員の態度、すべてに現われている、と私は思います。
幾ら大臣や政治家が「養子縁組制度」を深めよう、施設児童を減らそう、と理解を示してくれても、
どんなに官僚の方々が私共民間団体と膝を合わせ子供たちに家庭養護を、と話し合いを設けてくださっても末端で、市民へ向き合う窓口の「こそだて支援課」がこういう態度である限り民にとっての行政は、何も変わらない、という事なのです。

これをご一読くださる皆さん一人一人が、「お上体質」の自治体の態度をどうしたら改善でき、皆さんのニーズに合った公平な窓口に出来るのか是非、一度考えてみてください。

私共は今回のこの出来事は日本の子育て支援窓口の問題として、全国の団体、機構、法曹、各省とも共有し改善を求めていきたいと思っています。
全ての子育中の方が、こうした理不尽な扱いを受けず、必要なサービスを当たり前に差別なく受けることが出来るよう心から望みます。

(おがわ)